ヘルメット君の数学日記

ヘルメット君の中学受験が終わりました。次は大学受験までの数学を学びます。頑張っていこう!

数学の教え方.4

数学における達成感とは、初歩のレベルでは「ノーヒントで答えが出せること」で構いません。例えば、

  • 一次方程式が解けた
  • 直線の式が出せた
  • 角度が出せた
  • 立体の体積が出せた

など、いわゆる求値問題で正解を出せることです。しかし、このような達成感は既に小学生のときに味わっている場合が多く、達成感としては物足りませし、なによりすぐに飽きてしまいます。文字式の計算は今後の数学の土台となるので、論理性を度外視してでもこの計算力をつけることはとても大切なのですが、子供たちには先の数学の内容など分かりようもないので、ただ意味もなく反復練習をさせられているように感じることもあると思います。

 

この数学の入り口の段階で「数学はつまらない」になってしまっては台無しなので、求値問題、とりわけ文字式の計算(展開や因数分解)の取り組ませ方にも工夫が必要です。例えば、

  1. 同じ種類の問題を連続させ過ぎない
  2. 制限時間を設ける
  3. 難易度の調整

などが挙げられます。1.2.は集中力持続のため、3.は定着度に応じて調整します。大人の当たり前は子供には通用しません。算数で良い成績を取っていたお子様をもつ親はとくに注意が必要です。「この程度なら出来るはず」という先入観は危険で、できなかったときの親の落胆ぶりは子供に伝わります。どれだけ優秀な子供もまずは超基本的な問題からやるべきです。そこから段階的にレベルを上げていくのですが、煩雑過ぎる(≠難しい)問題はイライラするだけなので避けて構いません。要は計算問題1題を取っても「何を学ばせたいのか」というテーマがはっきりしているものを選んで解かせる必要があります。

 

つづく

数学の教え方.3

数学は算数とは異なります。中学生になって暫くの間は文字式の計算や簡単な方程式を解くだけなので、ほとんど算数の延長です。実は負の数同士の積が正であることは「環の定義」から論理的に導かれますが、これを教えようとすると破綻します。論理的な厳密性は子供達の成長とともに身につくもので、文字式の計算にすら慣れていないうちの過度な厳密性は返って分かりにくくなるはずです。

 

さて、文字式の計算に慣れてから、あるいはそれと並行して「初等幾何」を学びますが、ここで初めて数学の論理性を体験することになります。逆に言えば、ここで数学の論理性を体験させておかなければ、先の数学の学び方に支障が出ます。頭の柔らかい中学生のうちにたっぷりと時間を掛けて初等幾何を学ぶことがとても大切です。そしてこの大切な単元である初等幾何に興味を持たせるためには、前にも述べた「達成感と褒められる経験」をたくさん与えることが必要です。

では、「数学における達成感」についてお話しします。

 

(つづく)

数学の教え方.2

数学を好きになるのは、数学の中に潜む「美」を感じ取るからだと思います。それは、クラッシック音楽を聴いたり絵画を見て感じる美や雄大な自然美と通じるところがあります。しかし、これらの美を感じ取るにはそれなりに成熟することが必要ですし、視覚や聴覚に直接的には訴えない数学の美を感じ取る場合においてはなおさらです。

 

数学を好きになるのは最終的にはその美を感じ取るからだと思いますが、小学生や中学生にはまだまだその美を感じ取る力も弱いため、瞬間的な楽しさを簡単に与えてくるテレビやゲームに流れるのは当然だと思います。

 

そこでまず、自力で出来たことへの達成感と褒められた経験を増やすことから始めます。今僕がこの話の対象としているのは中学生以上の学年を想定しています。というのも小学生が学ぶ算数、とくに中学受験算数は論理よりもパターン認識、例えば速さの問題ではダイヤグラムを描き、立体の切り口の問題では角出し法、○○算はこのように解く、といった知識の当てはめ、パズル的なものも多く、数学とは趣きが異なるからです。

 

(つづく)

数学の教え方.1

数学ができるようになるには大変時間が掛かります。その理由は別の機会に述べるとして、まずは大前提として長時間の勉強時間に耐えうる体力と忍耐力が必要です。さらには学ぶ環境づくりも必要です。

 

基本的に子供たちは大人よりも体力はあります。一方の忍耐力は何か目標とするものがない限り持続するのは難しいのではないでしょうか。

 

何ごとにおいてもそうですが熱中すると時が経つのを忘れます。子供たちのゲームがそうでしょう。まずはその熱意を数学に向かわせることが大切ですが、これが最難関の砦となります。

 

例えば試験で高得点を目指すといった一応の目標があればよいのですが、それと数学ができるようになるのとはあまり関係がないように思います。忍耐力を獲得するには「数学が好きになること」結局はここにたどり着きます。しかし、「好きになること」を強制することはできません。ではどうすれば「数学が好きになる」のかを考えてみようと思います。

 

(つづく)

休講中の数学 第二章.1

みなさま、こんにちは。エルモです。

 

コロナ禍の影響で自宅待機が続いています。ヘルメット君はもともとインドアなので外で遊べないことに全く不満はないようですが、スポーツ少年達にとっては辛い毎日ですね…

 

ヘルメット君の中学(といっても未だ一度も登校していません)は5月末まで休講が延長されました。オンラインや双方向授業はまだ始まっていませんし、学校からの課題も多くはないので自学自習の日々です。

 

僕の職業柄、大学受験に必要なすべての科目の先生方と連絡がとれ、アドバイスを頂ける環境にあります。とくに英語学習に関してのアドバイスを予備校業界トップクラスの講師の方々から頂けるのは大変助かります。

 

さて、ヘルメット君の数学ですが、新しい方向に進んでいます。

 

つづく

 

中学生活スタート@home

みなさま、こんにちは。エルモです。

 

ヘルメット君に教科書類が郵送されて来ました。それに伴い課題も出され、いよいよ中学生活がスタートします。

 

2月から始めた先取り数学は、

  1. 数IIの「方程式・式と証明」
  2. 数Bの「数列」

まで終了しました。これからは新しい単元に突入せずに、ここまでの知識を問題演習によって定着させていく予定です。

f:id:mathelmo:20200413093253j:image